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内視鏡下手術は、従来の手術内容をより小さい切開で安全に行えます。従来の切開手術は50~70mm以上の傷口でしたが、内視鏡下手術ではわずか16~18mmで済みます。術後の痛みが少なく、手術翌日〜2日目位から歩ける身体に優しい手術で、術前の患者さんの重症度で変わることはありますが、入院期間は約1〜2週間程度と短く早期社会復帰が可能です。 また外科的手術には、手術をした部分が感染する(バイ菌が繁殖する)リスクがありますが、内視鏡下手術の創部感染率は、従来の切開手術に比べて感染率が顕著に低いことが報告されています。 内視鏡下手術の代表例として、MED、MEL,ME-OLIFがあります。
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MED:内視鏡下腰椎椎間板摘出術とは
MEDとは、Micro Endoscopic Discectomy、内視鏡下・腰椎椎間板摘出術の略語で、中〜重度の腰椎椎間板ヘルニアに対する手術方法です。これは1995年にアメリカで開発されました。MED手術はうつ伏せで行います。全身麻酔を行い、16-18mm程皮膚を切開します。切開した小さな穴に特別なスコープを設置し専用の手術器具を挿入します。TVモニターを見ながら、ヘルニア等を取り除き、神経の通り道を広げます。出血が少なく、低侵襲な治療で、術後の痛みが従来法と比べ少ないのが特徴です。
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従来の手術のように、背中の皮膚や筋肉を大きく切る必要がなく、傷が小さい (16〜18mm弱)。
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手術後の痛みが少なく、回復も早く、手術部分の細菌感染の危険性が少ない。
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退院が早く(約1週間)、日常生活への復帰が早期に行える。
MEL:内視鏡下腰椎椎弓切除術とは
MELとは、Micro Endoscopic Laminectomy、内視鏡下・腰椎椎弓切除術の略語で、腰部脊柱管狭窄症に対し、MED(内視鏡下腰椎椎間板摘出術)に準じた内視鏡を使用し、狭くなった脊柱管を広げる手術方法です。MEL手術はうつ伏せで行います。全身麻酔を行い、16-18mm程皮膚を切開します。切開した小さな穴にチューブを設置し内視鏡や専用の手術器具を挿入します。TVモニターを見ながら、手順に従って神経の通り道 (脊柱管)を広げます。MEDと同様に、出血が少なく、低侵襲な治療で、術後の痛みが従来法と比べ少ないのが特徴です。
ME-OLIF:内視鏡下腰椎側方椎体間固定術とは
ME-OLIFとは、Micro Endoscopic OLIF、内視鏡下・腰椎側方椎体間固定術の略で、身体の側方から脊椎に到達する手術法のため、従来の背中側から筋肉を展開する必要がない手術法です。腰椎側方椎体固定術:OLIFは、米国では10年以上前から行われ、日本には2013年頃に導入されました。従来はPLIF/TLIFといった、後方から骨(椎弓)を削って神経の圧迫をとり、椎間板にスペーサーを挿入する必要がありましたが、OLIFは側腹部からの小さな傷のため、従来法と比べ腰の筋肉への侵襲を最小限に抑えることが可能な手術法です。傷んだ椎間板の代わりにスペーサーと呼ばれる金属と骨を挿入します。従来の手術よりも大きなスペーサーを挿入することができるため背骨の安定性、骨癒合がしやすいこともメリットの一つです。
傷痕が目立ちづらい。
背骨についている筋肉を剥がさないため、脊柱の安定性を損なうことが少ない。
背骨の筋肉を剥がさないため、従来法と比べ術後の痛みが少なく、回復も早い。
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退院が早く(10日〜2週間程)、日常生活や仕事への復帰が早期に行える。
FESS:全脊椎内視鏡手術とは
FESS(Full Endoscopic Spine Surgery)は、内視鏡を使って行う低侵襲な脊椎手術です。皮膚の切開はわずか1cm。従来の内視鏡より筋肉へのダメージが少なく、痛みの軽減・早期回復が期待できます。また、生理食塩水を灌流させながら手術を行うので、従来の内視鏡手術より鮮明な画像を見ながら手術をすることができます。
FESSで実際に使用する内視鏡と従来の内視鏡の比較
FESSの侵入経路
次の画像は、腰椎椎間板ヘルニアに対するFESSの実際の手術画像です。神経周囲を鮮明に観察することができ、安全にヘルニアを摘出することができます。
小さな切開で体への負担が少ない
早期の社会復帰が可能
高齢の方や持病のある方にも適応しやすい
・椎間板ヘルニア(腰椎・頸椎)
・腰部脊柱管狭窄症
*すべての患者さんにFESSが適応になるわけではありません
当院では、患者さんの状態に応じて最も適した治療法をご提案いたします。
まずはお気軽にご相談ください。
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